ラスベガス:マジックと食べ放題、そしてヘリで大峡谷へ
カジノリゾートとデビッド・カッパーフィールドのショーを楽しみ、まったく飲み放題にならない酒プランに苦戦し、ヘリ酔いに耐えながらグランドキャニオンへ飛んだラスベガスの旅。
次の目的地はラスベガス。
ここで一番多かった予定は、とにかく飲み食いだった。ビュッフェを食べ、ショーを見て、ホテルの下にある賭博テーブルにも座る。ラスベガス・ストリップの両側はほとんど巨大な娯楽施設で、どのカジノホテルも客室、レストラン、カジノ、ショーを一つの建物に全部詰め込んでいる。まともな計画のない僕らなら、外へ一歩も出ずに一日を終えることさえできた。
中でも一番印象に残ったのが、デビッド・カッパーフィールドのマジックショーだ。同行者に話すと、「本当に本人なの?」と聞かれた。たぶん本人。たぶん。
当時はラスベガスが世界のエンターテインメント業界でどんな場所なのか知らず、世界的なスターが長期公演をしていることも分かっていなかった。だから、本当に本人なのか僕にも自信がなかった。でも写真と見比べた。たぶん本人だった。
ショーはものすごく面白く、カッパーフィールドらしい超大型イリュージョンの連続だった。人間一人を出すくらいじゃ、スケールが小さすぎる。ステージに現れるのは車、バイク、恐竜の骨格といったサイズのものばかりだ。
そして、以前どこかで聞いた話を思い出した。マジシャンだって一生ミスをしないわけがなく、失敗したら話術でうまくごまかすのだ、と。その日のショーでミスがあったかどうかは知らない。ただし、話は本当に長かった。
そこで問題になるのが、英語の分からない中国から来た同行者だ。どうする?
そこで僕が披露したのが、現場での同時誤訳。そう、同時通訳ではなく同時誤訳である。
本物の同時通訳との違いは、訳しながら内容がどんどん原文と食い違っていくことだ。話す速さについていけないので、拾えた部分だけをつないだボロボロの訳になる。最初の背景説明だけは完璧に訳す。そこから本人がものすごい勢いで長々と話す。僕は完全に止まり、最後にこう訳す。「今、あまり意味のない話をしてた」
それでも同行者の評価はかなり高かった。英語が分からなくてもマジックなら見て楽しめる。ブロードウェイで何も分からず舞台を見つめ続けるより、よほどいいらしい。
その後も何度もビュッフェへ行き、近くの評価が高い店をいくつか試した。その中で最大の罠だったのが、あるビュッフェのアルコール飲み放題だった。
ソフトドリンクと違い、酒は必ず店員に持ってきてもらう必要がある。自分で注ぎに行くことはできないし、そもそも注ぐ場所もない。つまり店員が最大のボトルネックになる。
グラスは大きすぎず小さすぎず、だいたい300〜400ミリリットル。でも中国東北出身の面々にとって、この程度のビールは数口で終わる量だった。
実際、酒が来ても二口で空になる。そして店員も姿を消し、次のおかわりまで十数分待たされる。同行者はかなり不満だったが、英語で言えないので、グラスの底でテーブルをコツコツたたいて催促した。すると店員も面倒そうな顔で、「聞こえてる、今忙しいんだ」というような反応をする。
いや、そっちまで不満になるのか……。こっちはグラスが満たされず不満なのだから、さっさと満たしてくれれば、少なくともこちらの不満は消えるのに。
結局、二人とも相手が何を言っているのか分かっていない。2時間のビュッフェで、おかわりできたのはたぶん5杯くらい。これで飲み放題を名乗っていいのか?
この店の飲み放題は明らかに理論上だけの存在だった。現実にはボトルネックが大きすぎて、まったく放題になっていない。非常に飲みづらいので、おすすめしない。
ラスベガスで唯一まともに外へ出たのは、近くのグランドキャニオンへ行った時だった。車では僕らの忙しい日程に対して時間がかかりすぎる。そこで最速の移動手段を選んだ。ヘリコプターである。
ラスベガス発のグランドキャニオン・ヘリツアーは、広大な砂漠や峡谷地帯の上を直接飛べる、現地では定番の楽しみ方だった。お金より時間のほうが足りない僕らの旅には、少なくとも紙の上ではかなり合理的に見えた。
申し込んだツアーは、ホテル送迎、グランドキャニオンまでのヘリ移動、現地での観光、そして帰りのフライトまで含まれていた。値段は相当に高かった。
ところが、ホテル送迎の時点ですでに驚かされた。
迎えに現れたのは、まさかのリンカーンのストレッチリムジン。中から執事みたいな人が降りてきて、どうぞと案内してくれた。乗り込むと、そこはもうリビングルームで、冷蔵庫もテーブルも何でもそろっている。
こんな高級車に乗るのは初めてだった。同行者いわく、さすがラスベガス。金を出せば、ちゃんとその分の派手さが出てくるらしい。
そしてヘリコプターへ。僕にとっても、ここ数年では初めてのヘリだった。
問題は、自分がヘリに酔うとは知らなかったことだ。乗った直後は大興奮で、あちこち体を動かしながら写真を撮りまくった。離陸後、窓越しに撮ったラスベガスの街がこちら。
空から見ると、普段でも十分に派手なストリップ周辺のホテルやカジノが、砂漠の中の小さな建物の集まりに変わっていた。金ぴかのトランプ・ビルは、たしかにギラギラしていてダサい。でも、なぜかちょっと格好いい。
そして飛び始めて5分で吐きそうになった。ずっと頭がくらくらしたままだったが、数十分後に着陸するまで何とか耐え、機内で吐かずに済んだ。
吐き気と引き換えに撮った貴重な写真がこちら。
ヘリから見ても十分に巨大だったが、実際に降りてみると、スケール感はさらにおかしかった。
ものすごく壮観だった。さすが「大」峡谷。本当に、でかい、峡谷だ。
さらに、有名なグランドキャニオン・スカイウォークもあった。峡谷の縁から外へ突き出した馬蹄形のガラス橋で、足元はそのまま峡谷である。本来ならかなり刺激的なはずだが、前のヘリですでに十分すぎる刺激を受けたので、その時の僕には追加の刺激を受け入れる余裕がほとんど残っていなかった。
そしてヘリで戻った。帰りもまた、危うく吐くところだった。
これで完全に学習した。それ以来、僕がヘリに乗る時は、頭を座席にぴったりつけ、できるだけ勝手に揺れないようにして、自分のヘリ酔いを少しでも減らそうとしている。
こうして、ラスベガスの旅も終了した。