ニュージーランド南島:クライストチャーチからクイーンズタウンへ

クライストチャーチを出発し、南島の田園、氷河湖、ルピナスの花畑を巡ってクイーンズタウンへ向かった。

ニュージーランド南島の旅は、クライストチャーチから始まった。このツアーは本当に行き先が読めない。自分で運転するのが面倒だったので、数日間のツアーに申し込んだ。ガイドが見せてくれるものを、そのまま見る。運転しなくていいから、移動中もずっと景色を楽しめる。それにこのガイドは観光スポットにかなり詳しく、よく僕たちを妙に奥まった場所にある人気の撮影スポットまで連れていってくれた。

まず市内で、クライストチャーチ大聖堂を見学した。

次は植物園。中の庭園はなかなか個性的だった。

そのあとクライストチャーチを離れ、山と森の奥へ向かった。車が進むほど、ニュージーランド南島の田園風景がどんどん本気を出してくる。言葉では説明しにくいので、写真を見ながら各自で詩でも脳内再生してほしい。

夜は小さな町で一枚撮った。とりあえず、ここまで来た記念だ。

この夜は星空観察ツアーにも参加した。出発は夜11時、戻ってきたのは午前1時だった。南半球の星空は北半球と違う。僕の星座知識では何がどう違うのか判別できそうにないが、南半球の星のほうが少し明るく感じた。

ガイドによると、南半球で星が多く見える主な理由は、天の川銀河の中心方向が南の空にあり、そこは星が最も密集していて、天の川も最も明るいからだという。だから普通の人にとっては、南半球のほうが星空観察に向いているらしい。この夜はちょうど快晴で、運がとてもよかった。前日は一晩中厚い雲に覆われ、星空観察ツアーは全員返金になったそうだ。

その夜の星空がこちら。星空ツアーのガイドが一眼レフで撮った写真だ。僕のスマホにそんな能力があるはずもない。この写真は毎日違う。というより、一瞬ごとに違う。星空そのものはほとんど変わらないが、流れ星がかなり頻繁に現れ、空のどこかへランダムにスポーンする。だから撮る瞬間が変われば、写真も毎回変わる。

翌日も、山奥と田園風景を巡る一日が続いた。氷河を飛行機で上空から眺めるツアーの出発地にも寄ったが、僕たちは申し込まなかった。以前アラスカで、ヘリコプターから氷河を見たことがある。そのときは氷河の上に直接着陸までした。だから今回は、まあいいかということになった。

その代わり、あとでマウント・クックの氷河湖クルーズに参加した。湖をボートで進み、氷河を見るツアーだ。50年以上前、現在のタスマン湖はほぼすべて氷河だった。今も氷河の末端は急速に後退し続けていて、平均で年100メートル以上とも言われている。タスマン氷河はニュージーランド最長の氷河だが、この傾向が続けば、僕たちの世代のうちに、巨大な谷氷河から山の上に残るわずかな氷へと縮んでしまう姿を見ることになるかもしれない。

写真に写っているのが、この氷河湖ツアーの出発地点だ。50年前はここも氷河だったのに、今では影も形もない。氷河が溶けることについて、僕は完全に悲観している。ヨーロッパの人たちにエアコンを使わせないことはできるかもしれない。カリフォルニアの人たちにガソリン車を買わせないこともできるかもしれない。でも巨大IT企業がAIデータセンターを建てるのを、どうやって止めるのか。人類文明が前へ進むのを、どうやって止めるのか。あれが使うエネルギーは、これまでのものとは比べものにならないほど大きい。

地球温暖化を防ぐために人類の進歩を邪魔したい、という意味ではまったくない。僕はずっと、技術発展が生んだ問題は、さらに技術を発展させることでしか解決できないと思っている。歴史を逆戻りさせるようなやり方は選ぶべきではない。ただ、こういう自然の風景については、見られるうちに見ておこう、としか言えない。

その後の2日間も、ガイドはいろいろな場所へ連れていってくれた。

まずは一面に広がるルピナスの花畑。本当に辺り一帯が花だらけだった。

近づいて初めて、ルピナスがマメ科の植物だと気づいた。花が散ったあとは、本当に毛の生えたさやがいくつもできていた。

そのあとガイドは、いくつもの「有名な」SNS映えスポットへ連れていってくれた。カギ括弧をつけたのは、僕自身は一つも知らなかったからだ。ただ、小紅書ではかなり人気らしい。山の中にあるこのバンジージャンプ場にも行った。場所は最高で、山があり、水があり、そして飛び降りる崖がある。宣伝では世界初の商業バンジージャンプ場だという。本当かどうかは知らないが、少なくとも宣伝にはそう書いてあった。その場では少し迷った。以前にもバンジーをしたことがあるので、ここで飛んでも初体験にはならないし、今回はやめておいた。でもあとになって少し後悔した。飛んでおけばよかった。この場所なら、成功しても縁起のいい場所だし、失敗したらもっと長くお世話になる最高の場所だ。

それから、この「孤独な木」も見た。この人気スポットの名前が、そのまま「孤独な木」だ。写真の通り、一本の木が水の中にぽつんと立っている。木がネットで有名になるのは意外と簡単らしい。群れから抜ければいいだけだ。

二色に分かれて見える湖という不思議な景色もあり、そのほかにも美しい田園風景が続いた。

こうして4日間の旅を終え、僕たちはついにクイーンズタウンへ到着した。ニュージーランド南島の旅は、これで無事に完結した。

ニュージーランド北島:ホビット村とワイトモ・グローワーム洞窟

オークランドでの乗り継ぎ時間を使ってホビット村とワイトモ洞窟を巡り、オセアニア旅行を締めくくった。

今回のオセアニア旅行の最後の目的地として、ニュージーランド北島へやってきた。正直に言うと、最初はニュージーランドの田園風景を楽しめればよく、南島だけで十分だと思っていた。ところが南島からアメリカへ帰る便は、どうやっても北島で乗り継ぐ必要があり、その待ち時間も何とも言えないほどひどい。なら、せっかく来るのだから……。

北島には何があるのかネットで調べると、ホビット村を見つけた。『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの複数の映画で撮影に使われた場所で、かなり見に行く価値がありそうだった。

僕は『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズも、あとから公開された『ホビット』シリーズも、映画は全部見ている。ただし熱狂的なファンではないので、映画の有名な場面もかなり忘れていた。でも問題ない。映画を見ていなくても、この村自体が十分に個性的で、訪れる価値がある。

入口でまず目に入ったのは、等身大のガンダルフ。入場を待っている人の多くが、一緒に記念写真を撮っていた。

ここでは複数の言語でガイドツアーが用意されていた。英語ツアーは明らかに本数が多く、ほぼいつ予約しても参加できる。一方、それ以外の言語は少し難しい。特に中国語ツアーは参加者が多いのに本数が少なく、かなり予約しにくかった。それでも僕たちは何とか取れた。もし英語ツアーしか選べず、ガイドが映画のネタを話し始めたら、言葉は聞き取れても元ネタがわからず、僕たちは二人でぽかんとしていたはずだ。

村へ入ると、まず看板が迎えてくれた。

そして村の中へ。ここでは、いろいろな妙なポーズで写真を撮っている人をよく見かける。何でもない小道で、いきなり思いきりジャンプしてみたりする。どう考えても映画の場面を再現しているのだろう。

かなり完成度の高い観光地だった。ただ、僕のスマホは完全に圏外で、現地のWi-Fiにつなぐしかなかった。位置情報つきのWeChatモーメンツ投稿が、危うくホビット村から出られなくなるところだった。

そのあと、ワイトモ・グローワーム洞窟にも行った。ガイドが操る小さなボートに乗って洞窟へ入ると、見上げた岩の天井がグローワームの光で埋め尽くされていた。かなり新鮮な体験だった。ただし写真はというと……光が小さすぎて、夜空をそのまま撮ったのと大して変わらない。とても見せられる出来ではなかったので、ここには載せない。ちなみに、このグローワームは、僕たちが普段「ホタル」と聞いて想像するホタルとは別物で、光を放つ昆虫の幼虫だ。

これで、オークランドでの乗り継ぎ時間を使って組んだ一日観光も終了した。そして今回のオセアニア旅行も、これですべて終わった。