2回目の学会
論文発表を終え、ついでに開業したばかりのボルケーノ・ベイへ行ってみた。
この年もまた一本、論文を出すことができた。本当に運がよかったと思う。
別に自慢しているわけではなく、本当に運がよかったのだ。僕らの理論計算機科学のグループでは、論文を出すのがかなり大変だった。理論そのものが難しいのはもちろんだが、それ以上に、僕らの論文は学生一人と指導教員一人という組み合わせが多く、著者がずらっと並ぶことはあまりない。一方、隣のAIグループと、そのまた隣のハードウェアグループは、一人で年に10本、一本につき著者10人、みたいな勢いだった。そっちは論文数のスコア稼ぎでもしているのか……。
さすがに少し盛っているが、だいたいそんな感じだ。少なくとも当時の僕には、向こうの論文数は僕らよりずっと多く見えた。
それに、自分が選んだ小さな研究分野がたまたまこの学会の好みに合っていて、だから論文を出せたのかもしれないと思っていた。この先も案外この調子で出していけるのでは、とも考えていたのだが、後になって思い上がりだったと分かった。
今回も大学が費用を出してくれて、全日程を学会ホテルで過ごした。ホテルはディズニーのリゾートエリア内にあり、環境もかなりよかった。
着いて早々、ハゲワシっぽい何かがバルコニーに飛んできた。どうやら僕と食べ物を奪い合うつもりらしい。
この学会は朝から晩までとにかく濃かった。次から次へと発表を聞いているうちに、何の話だったのか頭の中が追いつかなくなる。
本来なら食事は全部ホテルの中で済ませられたのだが、どうにも食事が口に合わず、外へ食べ物を探しに行くしかなかった。とはいえ、さすがリゾートエリア。周りの環境は文句なしだった。
この年も、自分の論文を壇上で発表した。
そして今回も、記念すべき一枚が残った。
学会が終わった後、数日前にオープンしたばかりのユニバーサル・ボルケーノ・ベイにもわざわざ行ってみた。実はオーランドに来てから初めてその存在を知った。ネットで検索したら、いきなりこれが出てきたのだ。広告で埋め尽くされていたとまでは言わないが、かなり目には入った。
そして、この評価がまたすごかった……。記憶では、当時のGoogleマップでわずか2.8。もう目も当てられない低さである。この記事を書いている時点では、評価はなんと4.5まで上がっていた。後の旅行者レビューを見ると、リストバンド式のバーチャル待ち列システムを褒める声もかなり見かけるようになっていたのだが、開業直後に散々たたかれていたのは、まさにこの仕組みだった。接続が頻繁に切れる、まともに動かない、一つのアトラクションのバーチャル待ちが何時間にもなり、その間はほかのアトラクションを予約できない。ようやく時間になって現地へ行っても、さらに普通の列で待たされることがあり、しかもアトラクションが一時休止することもある、などなど。
こうした低評価は、園内そのものが楽しいかどうかというより、オープン直後の運営上の問題に向けられたものが多かったように見える。結局、僕らはその低評価を無視して行ってみることにした。ところが、これがうれしい誤算だった。僕らの滞在中はそうした問題にまったく当たらず、一日中とてもスムーズ。園内も空いていて、ほとんどすべてのアトラクションを気軽に楽しめる勢いだった。体感としてはかなりよかった。